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2019.07.09

後世の文化に大きな影響を残すベートーヴェン、その才能は数学とも関係あり?

音楽室の壁を飾る音楽家たちの肖像画の中でも、ひときわ目立つベートーヴェン。
音楽家でありながら聴覚を失うという悲劇、一度は耳にしたことがあるドラマチックなメロディは、そのいかめしい肖像画にふさわしいといえるかもしれません。
また、シンプルでいながらエレガントなベートーヴェンの音楽は、数学的な美にあふれているともいわれています。
2020年は、ベートーヴェン生誕250周年に当たります。250年を経てなお、彼の音楽は我々に多くの影響を与えていることをご存知ですか。

「苦悩のはてにたどりつく歓喜」を地で行く生涯

いかめしい肖像画のベートーヴェンは年齢不詳にも見えます。
1770年に生まれたベートーヴェンは、56歳で亡くなりました。
聴力に問題が発覚したのはまだ20代のころでした。つまり、彼は人生の半分を音楽家の命ともいえる耳に問題を抱えて過ごしたことになります。
幼少期も、決して幸福とはいえませんでした。テノール歌手であった父は、アルコール中毒に似た症状があったようで、息子を第二のモーツァルトにして一儲けしようとたくらんでいたという言い伝えまであります。
抜きんでた音楽の才能はすでに、幼少期に顕著でした。しかし、聴力以外にも健康に問題を抱えたベートーヴェンが、音楽の歴史にモーツァルトやバッハと並ぶほどの名を残すにいたるには、余人には計り知れない苦悩があったはずです。

ベートーヴェンは、ある手紙の中でこう記しています。
「無限の魂を体現している人間は一方で、有限の存在なのです。苦悩と歓喜、いずれをも味わうべく生まれてきたのです。苦悩を経て得る歓喜こそが、最善の生き方の証かもしれません」。
まさに、千鈞の重みをもつベートーヴェンの言葉です。

ベートーヴェンの音楽に宿る「数学」

物理学者のアインシュタインがバイオリンを奏でていたことは有名ですが、音楽と数学は切っても切れない関係にあるといわれています。そもそも、古代ギリシアの数学者であったピタゴラスによって、音律が作られたのですから当然かもしれません。
ヨーロッパの学問の基礎といわれるリベラルアーツには、文法学や論理学に加えて幾何学や算術、そして音楽が含まれています。そして、音楽は数学の健全なる体現ともいわれているのです。
ある数学者によれば、ベートーヴェンが聴力を失いながら完璧な音楽を想像できたのも、数学的な才能によるところが大きいのだそうです。
たとえば、『月光』の名で知られるピアノソナタは「レ」「ファ♯」「ラ」を基点に構成されていますが、これらの音の周波数には美しい秩序があり、ひじょうに数学的なのだそうです。ベートーヴェンは作曲をする際、物の姿を心に描きその線にそって作ると語っているそうです。実際に、彼の楽曲が楽譜だけを見てもシンプルで美しい所以は、そのあたりにあるのかもしれません。

また名曲には、洗練された数学的なパターンが隠されているといわれています。
ベートーヴェンは聴覚がなくとも、こうした数学的パターンを熟知し、聴衆の効果まで予測し、的確に表現する技術に秀でていたのでしょう。
実際、『月光』のピアノソナタは非常にシンプルなメロディでありながら、優美で私たちの心にしみいるような作用があります。
現代のサイエンスでは、音楽の中に秘されたある種のパターンがなぜ人を感動させるのか、まだ解明できていないのだそうです。

ベートーヴェンが1900年代のカルチャーに与えた影響

ドラマチックなベートーヴェンの音楽は、日常生活の中でもCMや映画でしじゅう耳に入ってきます。
1900年代には、著名な映画にもベートーヴェンの音楽が使用されました。最も有名なのは、1971年に公開されたスタンリー・キューブリック監督の『時計じかけのオレンジ』でしょうか。
この作品の中で、主人公のアレックスはベートーヴェンの大ファンという設定になっています。映画中では、アメリカの音楽家ウォルター・カルロス(現在は性転換してウェンディ・カルロス)がシンセサイザーで演奏した交響曲第九番が流れます。
これは、シンセサイザーによるクラシック音楽の演奏ブームの火付け役となりました。1977年には、一世を風靡した『サタデーナイトフィーバー』のなかで、ウォルター・マーフィーが演奏したベートーヴェンの『運命』が使用されています。『運命』は、劇的なメロディがことのほか映画にあうようで、2006年には『V フォー・ヴェンデッタ』にも挿入されています。「V」は、ローマ数字の「5」にあたります。『運命』は、ベートーヴェンの交響曲第5番にあたることにかけられています。
また、日本のアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』でも第九番の交響曲を聞くことができます。
余談ですが、水星のクレーターのひとつも「ベートーヴェン」の名が冠されています。

交響曲とは趣を異にするピアノ曲の優しさ

悲愴で荘重なメロディが印象的な数々の交響曲ばかりが、ベートーヴェンの持ち味ではありません。
聴力に問題が生じてからのち、ベートーヴェンは田舎の自然の中で過ごす時間を愛するようになったといわれています。信頼する友人たちとは、「会話帳」で意思の疎通を図っていたものの、音のない世界にいたベートーヴェンにとって自然の中に身をゆだねることは平和と安息を感じることができる時間であったのかもしれません。そんなベートーヴェンを想起させてくれるのが、優しいピアノの楽曲の数々です。

ベートーヴェンのピアノソナタや三重奏曲には、愛らしく明るさに満ちた曲も少なくないのです。ベートーヴェンのピアノ曲といえば、『エリーゼのために』のような物悲しいメロディをイメージすることが多いのですが、実際には軽快で明るい曲調の楽曲の多さに驚かされます。
そして、これらを作曲した時期は、ベートーヴェンの音楽性が彼独自のものへと成熟した時と重なるのです。
まさに彼自身の言葉通りに、苦悩をへてたどりついた歓喜を感じさせる優美と気品が、作品の中に燦然と満ちあふれているのです。

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