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2019.05.28

グランドピアノ300年の歴史について誕生から現在までの変遷を紹介

本格的なコンサートにはけっして欠かせない存在であるグランドピアノ。プロのピアニストからアマチュアのピアニストまで、多くの人がグランドピアノに魅了されています。

ただ、世界中でグランドピアノが知られるようなった現代でも、意外とグランドピアノがいつどこで生まれ、どういう経緯で世界的な楽器になったのかを知る人は多くありません。そこで今回は、誕生してから約300年経つグランドピアノの変遷をご紹介します。

グランドピアノの原型は1700年前後に生まれたとされている

いわゆるピアノの原型となった楽器は、イタリアで楽器づくりをしていた「バルトロメオ・クリストフォリ・ディ・フランチェスコ」という男性が作りました。当時から鍵盤型の楽器には「チェンバロ」というものがあったのですが、チェンバロはピアノのように強弱のタッチをうまく表現することができないなどの問題があったため、クリストフォリ氏が開発した強弱を表現できるピアノが多くの注目を集めたのです。

なお、クリストフォリ氏が仕えていたヨーロッパの名家メディチ家の目録では、1700年にはピアノが存在していたことがわかっています。

世界初のピアノの名前は、「クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ」というもの。イタリア語で、強弱を出せるチェンバロという意味の言葉です。この名称から、ピアノはもともとチェンバロの弱点を解消するために生まれたものであり、当時から多くの音楽家たちが繊細なタッチを表現したいという意欲を持っていたことがわかります。

1730年代にはドイツでもグランドピアノが作られていた

1730年代に、ドイツでもグランドピアノが作られました。製作者はゴットフリート・ジルバーマンというオルガンづくりの職人で、クリストフォリ氏の設計図等を参考にしたといわれています。当時のプロイセン皇帝がゴットフリート・シルバーマン氏の作ったグランドピアノをいたく気に入っていたとされており、宮廷には何台ものグランドピアノが並んでいたそうです。音楽の発展には有力なパトロン、つまりお金持ちの後押しが不可欠と相場が決まっていますが、お金のかかる楽器製作の世界でも、新製品の発明や量産の陰には、パトロンの存在があります。

また、ジルバーマン氏が納品したグランドピアノは、プロイセン皇帝に招かれたバッハによる意見を参考に改良されていったそうです。ジルバーマンが手がけたグランドピアノは、最終的にバッハから認められるほどの楽器となりました。こうした背景があったからこそ、後のスタインウェイやベヒシュタインといった世界を代表するピアノメーカーがドイツで生まれたのでしょう。

18世紀から19世紀にかけて現代の形へ進化

グランドピアノの製作は、18世紀から19世紀にかけて急速に発展していきます。とくにグランドピアノのメッカだったのが、ウィーンとイギリスです。そのため、当時製作されていたグランドピアノは、ウィーン式のものとイギリス式のものとがあり、工房によって多少構造に違いがありました。ただ、1700年前後に生まれ、1730年代に少しずつ作られるようになったグランドピアノが一般化するまで、100年以上の時間がかかります。

理由としては、当時鍵盤楽器といえばチェンバロが主流であったことが大きいでしょう。ただ、モーツァルトにバッハ、ベートーヴェンなど名だたる作曲家がピアノに興味を持っていたこと、そして産業革命で比較的コストを押さえて商品や部品を量産できるようになったことで、ピアノもどんどん普及していくようになったのです。

人々の暮らしが裕福になるにつれて、王様や皇帝などの権力者、貴族のサロン等でしか耳にすることができなかった音楽も一般大衆が触れられるようになります。

一般市民は貴族よりずっと数が多いですし、大きく高価なグランドピアノを小さな会場で運用するのは経済的ではないなどの事情もあって、次々大きなコンサートホールも作られるようになりました。会場が大きくなると、グランドピアノもより大きな音を音楽家の負担にならないような軽さの鍵盤で出せるようになる必要があります。

そこで、産業革命によって作れるようになった金属製のフレームやプレートがグランドピアノにも取り入れられ、ウィーン式とイギリス式の良いところ取りをした設計になり、ほとんど現代のグランドピアノと変わらない性能の楽器に仕上がったのです。

なかでもグランドピアノの進化において大きな役割を果たしたのは、1853年にドイツで設立されたスタインウェイでしょう。スタインウェイはピアノ製作に関する数多くの技術を開発し、特許を取得してトップメーカーへと成長しました。

その後、多数の楽器メーカーが生まれては競争し、音楽家やピアニストたちの要望を受けて進化していった結果、グランドピアノは現代まで継承される楽器の王様になったのです。

本格的なピアノ練習をしたい人はグランドピアノを選ぼう

ピアノの原点であり頂点は、グランドピアノにほかなりません。国産メーカーのグランドピアノなら、奥行きの小さいコンパクトなグランドピアノもあります。楽器選びで妥協すると気持ちよく練習できず、後悔するケースが多いので、本格的にピアノ練習をしたい場合はグランドピアノを選びましょう。

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